メルカリでかなり安い炊飯器を購入した。
5.5合炊き、象印の圧力IHのすごいヤツ。
しめてお値段3500円！大丈夫なの！？
メルカリ上の人格
メルカリで炊飯器を買うことにした。今使っているマイコン式の安い炊飯器が壊れてしまったためだ。
メルカリで炊飯器を買うのは少しリスクが大きい。前の使い手の衛生観念もわからないし、劣化の程度も完璧にはわからない。掃除できないところがどんだけ劣化しているかも…、わからない。
そんなギャンブルを今回はすることになりそうだ。
しかし、わたしは、メルカリのサービス開始当初からメルカリをやっている。メルカリの商品の目利きには自信があった。
一番大切にしているのは、メルカリ上での人格、だ。
メルカリ上の人格から、その人となり、衛生観念を想像してギャンブルの勝率を上げる。
まず、おじさんはダメだ。具体的には、革ジャンや釣具・矢沢永吉など、男臭いものを売っている人はだめだ。女性に比べると衛生観念に不安が残るからだ。
マイナス評価がついていてもダメ。怖いから。
評価の良い主婦が出品してくれていると安心感がある。
具体的には、子供用の服とかをたくさん売っていて、メルカリに慣れている人だと、なお良い。メルカリの中での人格を、出品履歴・購入履歴から推察する。推察こそがメルカリギャンブルの勝率を上げてくれる。
そんな推察・厳正なる調査を経て、1つの炊飯器を選出した。値段は3500円。定価は25000円とのことなので、かなり破格だ。（数年落ちではある。）
得したい！という気持ちと、良いものを手に入れたい！というふたつの気持ちのどちらも得たかった。二兎を追うものは一兎も得ず、などと言うが、それはメルカリ初心者に限る。
わたしのように、ギャンブルの勝ち筋を手にしているわたしにとっては、メルカリなど容易い狩場であった。
到着、そして
そうして、我が家に炊飯器がやってきた。そのグレーな大きなボディはこれまでのマイコン式の炊飯器とは一線を画しており、炊飯器専用の棚を新たに用意しなければならないほどだった。しかし、その大きさすらも象印らしさ・5.5号炊きというハイスペックさを感じさせ、わたしは勝利を確信して、喜んでいた。
さて、今回のメルカリギャンブル、問題は綺麗さだ。
結果としては、とっても綺麗な炊飯器だった！なんの匂いも汚れもなかったのだ。釜の内側や裏側も、とても綺麗にされていた。
メルカリ上の人格も問題なかったし、説明文には「最近までお米を炊いてました」という記述もあった。やはり容易い！ふはは！
3A炊飯環境であった我が家に、現役バリバリのメジャーリーガーを呼び込むことができた！
ようこそ！！と歓迎しながら、この日のために買っていた高いお米、つや姫を炊いてみる。
これまでのマイコン式とは違って、今回の君は圧力IH式だ。とんでもないことになるのかもしれない。洗ったお米をセットし、期待に震えながら炊飯ボタンを押した。
ブーン、、、という音と共にお米が炊かれ始めた。やはり、何も問題はない。よかった〜、と思いながら、キッチンを後にする。
少し経つと、お米の炊ける良い匂いが鼻をくすぐった。しっかりと炊けているな！えらいぞ！と様子を見に行くと、思わず声を上げてしまった。
キッチンが白くモヤモヤっとしている。まるで大霊界だ。遠くの炊飯器はうっすらと見える。どうやら、このモヤモヤは炊飯器の方から出ているようだ。
よく見ると炊飯器全体から蒸気が出ている！
それもかなりの量！本来の蒸気穴から蒸気が出ておらず、蓋と釜のすき間全体から蒸気が噴き出していた。
おいおい、ギャンブル負けとるがな！！！
と思いながら、モヤの中で、とりあえず残り5分という表示が0になるまで待ってみることにした。少し暖かい、お米の香りがする部屋で待つ。メガネが曇ってきている。「美味しければ、まあ勝ちだよな」と1人ごちながら、その時を待った。
そして数分後、ピピーっという音が鳴り、蓋を開ける。白いお米の粒がしっかりと立っていて、見た目は美味しそう。おしゃもじでお米を少しすくいとり口にいれる。
…背伸びして宿泊したお宿のご飯ぐらい美味しかった。
つや姫のポテンシャルもあるが、炊飯器の能力がさらにその美味しさを引き出していると判った。
しかし、問題は蒸気だ。炊飯のたびに、部屋が大霊界のようになってしまう。1DKの我が家では、ダイニングの方にまで蒸気が流れてきてしまう。部屋の気温と湿度が急激に上がり、メガネも曇る。
炊飯器のすき間を塞ごうにも、口に入れるものなので接着剤やシリコンなどは使えない。このまま使うほかなさそうである…。
20000円以上のものが、3500円になるということは、それなりの理由があるということだったんだなぁ。
…ということで、今回の結末
